先日、投降した記事(いま建設中の家は4K放送に対応してる!?)で、アンテナやチューナーだけ4K放送対応にしても4K放送に対応できたとは言えないことを書いた。
ようは、その他の受信機器の対応が必要になるが、今回はそこを少し掘り下げて今回は書くことにする。
なお、2015年あたりから4K・8K放送対応機器が発売されはじめたので、2~3年以内に建てられた家に住んでいる方は、もしかするとすでに対応済の可能性があるかもしれない。
その場合は、アンテナとチューナー(もしくは今後発売される4K放送対応テレビ)だけで良い。
自分は計画通り4K放送対応で建築を進めていくし、
これから家を建てる方は、4K放送に対応するように計画をしてほしいと思う。
もしも対応せず、あとからとなると大変だしお金もかかるので・・・。
ただし4K放送は絶対に視ないし、東京オリンピックも2Kで十分だという方は、気にしなくてもいいと思う。
Contents
4K放送はいつからはじまるの?地デジは4Kにならないの?
4K放送は今年2018年12月1日からスタートする。
とはいえ、4K放送はBSとCSだけで地デジは2Kのまま継続される。
地デジが2Kで継続されるのは、4K放送をするための電波の空き帯域がないのと、放送システムの変更も必要になってくるので相当の設備投資を実施しないといけない。
また実際に4Kに移行できたとしても、地デジだと今回の4K放送と違って、国民ほぼ全ての世帯にテレビ等の受信設備の買い替えによる相応の負担を強いることになる、国としては避けたい思いがある。
よって実現が非常に難しいからである。
■4K・8K放送のロードマップとなる。
今までの受信設備では4K放送の伝送周波数に対応できない
4K放送を受信するために必要なものを確認する前に、まずは4K放送に使われる伝送周波数を確認してみる。
■4K・8K衛星放送(BS・110度CS)伝送周波数
放送種類 | 伝送周波数(MHz) | 放送波 | 備考 | |
現行 | 地デジ | 470~710 | UHF | |
BS | 1032~1489 | 右旋円偏波 | ・4K放送に向け周波数再編 (2018年5月28日完了) ・再編により一部周波数で4K放送 (2018年12月1日スタート) |
|
110度CS | 1595 ~2071 | 右旋円偏波 | ||
新規 | BS | 2224~2681 | 左旋円偏波 | 一部チャンネルを除き従来の 受信設備で受信可能 ※ 2018年12月1日スタート |
110度CS | 2748~3224 | 左旋円偏波 | 2018年12月1日スタート |
従来からの受信機器は「10~2610MHz」までの周波数帯域に対応する。
そのため従来の受信機器のままでも、4K放送に対応するアンテナとチューナーがあればBS(左旋円偏波)なら受信することが可能となる。
しかしBS(左旋円偏波)の伝送周波数は「2224~2681MHz」のため、一部チャンネルを視ることはできない。※
伝送周波数を見て分かるように、すべての4K放送を視るためには、「3224MHz」まで対応する受信設備が必要となる。
※地デジしか対応していない、または長らく設備更新されていない場合は受信機器の対応が「2150MHz」以下の可能性もある。その場合は今回はじまる4K放送を視ることはできない。
すべての4K放送を視るためには?
「3224MHz」まで対応する受信設備がなければ、すべての4K放送を視れないことは分かった。
もし「3224MHz」に対応していない受信設備があるならば、対応していないものはすべて交換が必要になる。
以下が、そのために必要な受信設備「3224MHz対応」の一例となる。
(住居によって異なることもあるが、一般的な構成になる。)
■受信機器の説明
受信機器 | 説明 |
混合器(ミキサー) | 各アンテナで地上波(地デジ)、衛星波(BS/CS)を受信した後、 テレビ信号を混合し1つにする |
ブースター | テレビ信号を増幅する(損失を事前に補う) BS/CSアンテナへの電源供給を行う ※テレビ信号は同軸ケーブルや分配器等を通過することで減衰するため |
分配器 | テレビ信号を均等に分配する(テレビを複数台設置したい場合) |
分岐器 | テレビ信号を枝分かれさせる(テレビを複数台設置したい場合) ※テレビ信号を分ける意味では分配器と同等だが、 幹線と分岐線でテレビ信号の強さが異なる(例:9対1) |
分波器 (セパレーター) |
混合されているテレビ信号を地デジ、BS/CSに分ける(分波) ※テレビ等の端子が地デジ用、BS/CS用と別々の場合に用いる |
同軸ケーブル (アンテナケーブル / TV接続ケーブル) |
テレビ信号を送るケーブル ※種類、ケーブル径により複数あり |
テレビ端子 (直列ユニット / 壁面端子) |
テレビ幹線の末端に取り付ける(壁面のテレビ用コンセント) |
■同軸ケーブルの補足
通常であれば以下の品番のケーブルが使われているの一般的。
S-5C-FB:アンテナ~テレビ端子(壁面)
S-4C-FB:テレビ端子~テレビ等
ケーブルの品番で重要なところの意味は以下になる。
S:衛星放送対応「Satelliteの略」、BS/CSを視聴するなら必要
5、4:ケーブルの絶縁体の外径(5=5mm / 4=4mm)、マンション等の共同受信設備では7=7mmを使ったりする。径が大きいほど信号の減衰は小さくなるが、曲げにくくなり取り回しがしにくくなる。
■同軸ケーブルの注意点
同軸ケーブルはアンテナから壁面のテレビ端子までは屋内配線で、壁面内を通しているの通常である。
もし同軸ケーブルが5C-FV、5C-FBなど古い規格のケーブルが使われている場合は、同軸ケーブルから替えないといけないため、住居の造りや配管のメンテナンス性によっては対応が困難になる。
どうしても屋内配線を替えられないのであれば、部屋の壁伝いに露出をすることになる。もしろんモールでケーブルを隠すなど目立たない措置は必要になるだろうけど。
またS-5C-FBを使っているから、絶対に大丈夫という保証もない。
4K放送は今までの周波数よりさらに上の高周波な帯域を利用するため、S-5C-FBであっても替えないといけない場合もある。
4K放送を視るために同軸ケーブルには低損失、高シールドが求められるが、品質が良くなかったり、長期利用で経年劣化が進んでいれば、信号の減衰も大きくなるため、4K放送を視ることができない可能性もある。
その場合も、もちろん交換が必要となる。
最後に
もしテレビにレコーダーやUltra HD Blu-rayプレイヤー等を接続して4K映像を扱う場合は、HDMIケーブルも4K対応にする必要がある。
機会があれば改めて説明するがHDMI2.0以上、できればHDMI2.0bが望ましい。
(HDMI2.1もあるが8K対応なので、そこまでしなくてもいい)
また4K放送を十分に堪能するには、テレビも必要な機能を満たす必要がある。
もし必要な機能を満たしていなくても、4Kテレビであれば4K放送を視ることはできるので、どこまでこだわるかだと思っている。
これについてもまた書ければと思っている。
いま家を建てる方以外は、
ゆっくり様子を見ながら4K放送がスタート後でも、東京オリンピック直前になってからでも、検討すればいいんじゃないかなと思う次第です。